2024.7.20
講演会「台湾における高校歴史教育の改革とパブリック・ヒストリーの実践:選択科目教科書『探究と実作』を中心に」開催
2024年7月20日(土)に早稲田大学にて「台湾における高校歴史教育の改革とパブリック・ヒストリーの実践:選択科目教科書『探究と実作』を中心に」と題する講演会を開催しました。
講師は、台湾・国立政治大学台湾史研究所の林果顕先生。台湾では、2019年から「十二年国民基本教育課程綱要」(略称「108課綱」)という新カリキュラムが施行され、新しい高校歴史教育の改革が始まりました。「探究と実作」は、歴史、地理、公民(Civics)など、社会系科目の知識をもとに、生徒自身がテーマを探求し、その成果を作品としてまとめ上げることを目標とした高校1-2年生の選択科目です。その成果は、歴史をテーマとしたボードゲームの制作や地元の人々へのインタビュー調査、人権施設におけるフィールドワーク、老舗を紹介する動画やポットキャストの制作など多彩なものとなっています。日本で2022年から導入された高等学校社会科必修科目「歴史総合」とも相通じる部分を持つこの歴史教育実践は、パブリック・ヒストリーの実践を示す一つの好例と言えます。教科書は教員が作成したものを使用したものでも、公刊されたものでも良いとされており、教員の指導力が問われるものとなっています。
講演会では、林教授から教科書の編集に関わった『探求と実作』の教科書について詳細な説明があり、歴史を専門としない生徒・学生に向けた歴史教育の意義と、歴史教育の新たな実践の方法について示唆に富むお話があり、フロアからも数多くの質問が寄せられました。
台湾における高校歴史教育の改革とパブリック・ヒストリーの実践:選択科目教科書「探究と実作」を中心に
日時:2024年7月20日(土)14:00-16:00(13:30開場)
講師:台湾 国立政治大学台湾史研究所所長 林果顯
場所:早稲田大学3号館6階606教室(政治経済学術院)
主催:
科学研究費補助金基盤研究(B)24K03162 「台湾におけるパブリック・ヒストリーの実践と日台の歴史認識:越境する視座の構築」 研究代表者: 一橋大学 洪郁如
早稲田大学台湾研究所
NPO法人日本台湾教育支援研究者ネットワーク(SNET台湾)
共催:日本台湾学会定例研究会(東京)
言語:日本語